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尚美学園大学 総合政策学部 ライフマネジメント学科 スポーツコース 江頭ゼミ

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2015.7.12

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現在の仕事について

 担当はスタジアム演出と広報がメインです。スタジアム演出は、試合開始前や、イニング間のイベントなどの企画立案から当日のオペレーションまで落とし込む仕事です。試合進行を取りまとめるだけでなく、大型ビジョンで流れる選手紹介映像なども、クリエイターの方と一緒に制作します。また、マスコットやパフォーマンスチームなどのコーディネートも行います。エンターテインメントとして試合にかかわる部分が担当です。もうひとつは広報です。ライオンズの様々な情報が、多くの新聞やニュースに取り上げられ、世の中に認知だけでなく理解してもらえるようにするのが目的です。 勤務時間については短くはないと思います。野球は平日夕方6時から試合開始ですから、試合が終わって片づけ終わるとどうしても10時11時になります。必然的に長くなってしまう仕事だと思います。また、休日も本拠地で試合があれば勤務します。体力的にもきついこともたくさんあります。

 ライオンズでは、試合終了後のグラウンドにファンの方が降りて様々な体験をしていただくイベントがあります。曜日によって対象や実施内容は変わってきますが、直前まで選手たちが試合をしていたグラウンドに、実際降りてフィールドの広さだったり、景色を体感していただいています。
 私たちの仕事では、初めて野球を観に来た方、あまり野球観戦をしない方に「もう一度スタジアムに行きたい」と思ってもらうことが重要です。チームが勝利した時の興奮だけでなく、スタジアムという空間の雰囲気やスタッフのホスピタリティなどが、次の来場につながっていくものだと思っています。そういう状況をいかに作るか、お客さんに感じてもらうもの、お客さんの中に残るものをどれだけ大きくできるかが大切で、勝った喜びをより良いものにするために自分達がどうできるかが重要です。また負けた試合の時も「負けたから今日一日全然つまらなかった」ではなく、「負けてもこの場所に来ると楽しいね」という体験をしてもらうのが自分達の仕事ではないかと思っています。

 過去にドラマとタイアップして、ピッチャー役を、演じていた現ホークス工藤公康監督の息子さんであり、俳優の工藤阿須加さんに始球式をお願いしました。その事が反響を呼び、SNSやウェブ、新聞等に大きく掲載されことがりました。これは先ほど言った、演出と広報2つの歯車が噛み合った例です。企画したことに対してその反応を見ることがこの仕事のバロメーターになります。また、ライオンズ・クラシックという企画を行った際にはに、ファンだけでなく、選手やOBの方にも喜んでいただくことができました。メディアに露出するという事だけではなく、球場に来ていただいたお客様、選手、OBなどの方々とっていいものを残すことができるかがこの仕事のやりがいです。
 広報と演出を一緒にしているということは、メディアに取り上げられる可能性を考えながらイベントを考えることが出来る、そういう連携をして、観客に総合的なリーチをする事が出来ます。1年間PR会社に居たこともあって、メディアが大きく扱ってくれる機会が多いのはスポーツの仕事の特徴だと思います。

現在、運営や広報の仕事に就いたきっかけ

 学生の1年生の時は、大学ってすごく自由で楽しそうという印象があって、授業を真面目に出ている子もいれば、サークル活動を一生懸命やる子もいる。また部活を真面目にやるなど様々な学生がいました。僕が大学生の時は深刻な就職難でしたが、就職できれば業界や職種は重要視しないといった決め方は自分は出来ない。もしそんな就職をしてもすぐ辞めるだろうと思いました。興味があるスポーツ業界で、特にプロスポーツに携わる部分で何かできないだろうかと考えていました。4年生になりゼミで専門的に研究の段階に入って、プロスポーツビジネスのマネジメントというものに少し興味があったのを論文のテーマにて、掘り下げていくうちにスポーツ業界で仕事を探してみたいと思ったのが1つのきっかけです。

lions02Z.jpgその当時はスポーツマネジメント専門の教員もほとんどいませんでした。資料を集めるだけでも大変だった記憶があります。
 この卒論に真剣に取組んだことが、第2のきかっけだったと思います。「もっと業界のことを学んでおきたい」という気持ちと、「納得の行く研究をしたい」という考えから大学院に進学することを決めました。
 しかし、大学院に進んだときに迷いが生じました。プロスポーツ界へ就職することについて具体的に考えるにつれて、このままスポーツビジネスだけにこだわり続けていいのか、視野が狭すぎてマイナスになっていないか、そんな思いから他の企業への就職も考え始めました。迷いが生じた頃、たまたま「スポーツマネジメントスクール」という講座のことを知り、論文テーマのネタ探しをしようと申し込みました。そこには、社会人でこれからスポーツ業界チャレンジしたいという方や、実際にスポーツ業界で働いており、より専門的な理論を学んで、スキルアップしようとする方々が集まっていました。そこでライオンズとの縁ができたことが、今の仕事に就くきっかけになりました。 

イベントを成功させるための秘訣

 これが秘訣だというものはありませんが、スタッフの中で1人でもこの企画は面白くないと思っている人がいたら、お客さんにはその企画の魅力は伝わらないと思います。スタッフ全員が、自信を持ってお客さんに提供できるかが大切です。そして最終的に判断する人は、来場されたお客さんであり、お客さんが楽しいと思うかという部分は重要なポイントです。我々は様々な制限がある中で、その企画を形にしなければいけません。そのなかでどれだけ工夫し、掘り下げていけるかがポイントだと思います。

学生時代にやっておけばよかったと思う事

 海外留学です。まったく違う環境に身を置き、そのなかで自分がどのように対応できるかを試してみたかったです。日本にいる事も悪い事ではないですが、海外に行ってみた方がいいと自分の場合は思いました。しかし、留学することが目的ではなく、そこで何を学んだのかを明確にし、自分のキャリアに生かすことが大切だと思います。

プロ野球・野球に関わっていきたいと思っている大学生に、今何をすべきか

 野球界でどんな仕事に関わりたいか、という事だと思います。例えば現場であれば通訳という仕事もあります。その場合語学力やコミュニケーション能力を磨くべきだと思います。ビジネスサイドで働きたいのであれば、マーケティングやファイナンスといった分野もあります。現在大学で学んでいる経済学・経営学・社会学などの知識が必要になる場面は多々あります。幅広い教養を持っている人は、社会でも評価されます。その他には、自分の強みを作っておいた方が良いと思います。自分の興味があるものを突き詰めていく事が大切だと思います。

学生へメッセージ

 皆さんに考えていただきたいのは、自分のキャリアのどの段階でプロスポーツに携わりたいのかという事です。それによってアプローチはずいぶん変わってくると思います。今すぐなりたいのであれば、履歴書をたくさん送って通った所に行けばいいと思います。今すぐということではないのであれば、しっかりとしたタイミングや職種にターゲットを定めて、その分野に秀でた人材になることが重要ではと思います。そのためには自分のキャリアへの価値観をしっかりと認識することが大切です。後者の方がどちらかと言えば正しいと思われがちですが、今やりたい事を精一杯追い求めることも大事なことだと思います。自分で定めた目標に対してきちんと自分が向き合い続けることが大切です。

<取材・編集/ 原田脩平、尾藤汐理>