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尚美学園大学 総合政策学部 ライフマネジメント学科 スポーツコース 江頭ゼミ

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2014.8.9

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今の仕事内容 <<+meを企画>> 

 女性に向けたスポーツアパレル、スポーツウェアを企画する+me(プラス・ミー)という商品群の企画を担当しています。
 +meはスポーツから一度離れた20代30代の女性が、もう一回スポーツをやりたいと思った時や、少し運動を始めてみようかなと思った時に選んでもらえるような、可愛らしい女性ウケしそうなウェアです。またこのようなウェアを試着の意味も込めて女性限定でイベントの企画をしています。男性用の商品について問い合わせをいただくことがありますが、現在の女性用だけです。その理由は女性の方がこだわりや購買意欲が強い傾向があるからです。新商品を発表する時期に合わせて、ランニングイベントや試着イベントを開催し、そのイベントで出た新たな意見を反映させて新作を企画しています。イベントは商品の認知度向上と、+meのターゲットになる女性のナマの声をすくい上げる、2つの意義があります。

この仕事の楽しさ、やりがい、課題

me03.jpg この仕事の楽しさやりがいは、ふと街中を歩いていると私が企画したウェアを着ている人を見かけた時です。私が企画したウェアを着て、仲間とおしゃべりをしながらジョギングをしている様子を見ると「また良い商品作らなきゃ」と思うことが多々あります。実際のイベントでも+meを手に取って、私も運動始めようかなと言ってくださる人を見るととてもこの仕事にやりがいを感じます。スポーツウエアがキッカケで、その女性がジョギングを始めてくれたら。素敵だと思いませんか。+meの狙っている事ですが、その現象を目の当たりにすると、シビレますね。

 +me全体の課題は、ミズノの中でも小さな事業である+meを、もっと大きくすることです。この課題はそう簡単ではありません。まず少しでも多くの人に、利用してもらえる商品作りをしていくことです。まだ知名度がそれほどあるわけでもないので、少しずつでもその知名度を上げることが、今後の商品開発やイベントの拡大化に繋がると思います。ブランドが浸透させると同時に、商品の差別化をすすめています。一般の人からしたら「急乾、速乾の機能はどこでも一緒でしょ」と言われることがあります。ユニクロさんやほかのスポーツメーカーさんでも、同じような商品を作っています。ですから他にはない新しいアイディアで、差をつけることが大事だと思います。一方でスポーツウエアは、ファッションですから、性能だけではいい商品とは言えません。価格設定やブランドイメージの影響で、お客さんがほかに流れてしまうこともよくあります。ブランド認知度、性能、ファッション性、価格設定などをひとつひとつクリアしていくことが今後の+meを左右するのと同時に乗り越えるべき課題だと思います。


転職 リクルートからミズノへ

 ミズノへ転職する前はリクルートの代理店で働いていました。主にリクナビネクストの中途採用やタウンワーク、フロムナビ、アルバイトの採用の媒体で企業さんのお手伝いをする仕事でした。お手伝いと言っても、実際はオフィスへ向かい、求人広告を出してくださいと飛び込み営業をする仕事でした。

 大学時代の就職活動では、スポーツ業界は全く視野に入れていませんでした。ずっとソフトボールを続けていて、高校までは純粋に体育の先生になろうかなと思っていました。早稲田大学の人間科学部スポーツ科に入り、大学で体育教員の免許を取りました。しかし、ずっとスポーツに関わってきて、おなか一杯の部分がありました。また、社会を見たいという思いもありました。そこで、早稲田はマスコミ系を受ける人が多かったので、その流に乗って就職活動をしました。

 社会人になってスグの頃はこの職種でどのように仕事をしたい、という夢は明確ではありませんでした。リクルート代理店のメリットとして、様々な職種や業者を見ることができるのを生かして、自分が本当にしたいことや興味があることが見つかれば、そちらに転職してしまおうと考えていました。

 その会社は社会人的にも人間的にも、急激に成長させてくれるところでした。大変でしたが教育面でもとても充実していますし、新人教育の途中からリクルート主催の教育システムを受けることができました。入社して三年間である程度次のステップへの自信をつけさせてもらった気がします。

スポーツの新しい形とスポーツ業界への転職

 リクルートの代理店に就職して、たくさんのことは学べましたが、三年くらいから営業職というものへ多少キャリアの行き詰まりも感じてはいました。営業職はスリリングで充実感はあります。しかし五年後も十年後も、営業の現場にいる自分が上手くイメージ出来なかったのです。「変化したい」と私自身感じていました。新しい世界を見て、どこに行きたいかと考えた時、スポーツに関わる仕事の方がいいかな、と思いました。また今まで自分がやってきたスポーツとは、違うカタチのスポーツに出会ったこともあります。

 学生時代私が接していたスポーツは競技でした。勝敗を再優先する厳しい世界でした。しかし社会人になって接したスポーツは全く違いました。仕事ばかリで息苦しくなったので、当時流行していたヨガに通い始めたんです。ヨガをすることでとても心がスッキリしやってよかったなと満足感を感ました。かつて私がしてきたスポーツを勝つために、結果だけを求めてやってきたこととは、違う形でスポーツっていいなと思ったんです。オリンピックを見てももちろん感動するし、結果を出すために頑張っている選手に共感したり、応援する部分もありつつも、違う面の良さに気付くことが出来ました。それがキッカケでもう一度スポーツに関わる場所に戻ってみようかな、と思いました。

ミズノへの就職

me04.jpg ミズノへ就職しようと思った理由は、業種を絞ってひとつのことを掘り下げていくところよりも、総合的なスポーツ企業なら色々なチャンスがあると思いました。受けた職種は今の仕事とは違う広報宣伝部でした。私は元々思い切りで動いている部分があり「とりあえずやってみて駄目だったら諦めよう」と、ただ、何かしらご縁があれば繋がると思い、飛び込みました。結果としては営業の経験を買われ、営業の方で採用してもらいました。

 採用してもらって最初の配属先はスポーツとは関係のない、企業制服に関わる部署でした。そこで三年ほど営業職をしながらもスポーツに関わる仕事がしたい、スポーツを普及できる仕事をしたいと思っていた時に、社内公募でウィメンズに向けたプロジェクト発足の募集に、手を挙げたことが現在の仕事に繋がっています。社内公募にも条件があって、その条件に満たない部分もありましたが、そこでダメだったら落とされるだろうと思い応募することにしました。結果は合格。めでたくプロジェクトの一員となり、企画などに関わっているうちに+meの部署に専属されました。転職時と同じ流れ、勢いで「ダメでもともとでも手を挙げよう」という行動が今の仕事への道を開いたんだと思います。

ダメもとでも手を挙げる、一歩踏み出すことへの原動力

 私自身小心者なところもあって、そんなに強い心臓を持っているとは思っていません。でも高校の頃から「行けば何とかなる」という気持ちはあったかもしれません。高校生の時にアメリカに留学をしたことがあります。その時も英語ができないけれど、留学に興味がありました。タイミングよく募集が来て、その時も行けたらラッキーという気持ちでとりあえず手を挙げて、結果は合格。留学中は会話が上手くできずに、英語に拒否反応がでてしまって本当にどうしようと悩みました。しかし、二週間くらい経って、言葉が通じなくても生きていけると感じたんです。ホストファミリーがよくして下さったからでした。死ぬことはないだろう。なんとか行ける。そう考えるようになって、私自身の中でチャレンジしようという、前向きな気持ちになれたのです。この経験は「行けばなんとかなる」という私の考え方に、自信を与える結果になりました。

学生時代、やらなくて後悔したこと

 私は早稲田大学の人間スポーツ科に在籍していて、ずっとソフトボールに打ち込んできたのですが、学生時代やらなくて後悔したことがあります。もっとしっかりと勉強しておくべきだったと思います。社会人になると、仕事で行き詰まる場面や、お客様とうまく会話できない時に勉強しようと思います。それは嫌々ではない勉強なので、勉強していて納得できたり実感できたりします。知識を得ることが楽しく感じるんです。学生の時は、スポーツの行動や栄養学などを学んでいました。めんどくさいな、嫌だなと思いながら学んでいたので、実際には何の知恵もつきませんでした。もしかしたら学生時代にしっかりと学んでいたら、今作る『+me』に役立てることができたんじゃないかと思います。もっとしっかり勉強しておけばよかったとすごく後悔しています。

学生時代、やっておくべきこと

 色々な人の価値観を知っておくべきだと思います。学生時代は仲の良い友達と付き合って過ごせば、楽しい四年間になると思います。自分の気分や楽しさ、充実感は満たされると思います。それは大事なことです。でも社会には色々な人がいます。自分と正反対の意見をぶつけてくる人もいると思います。その時に全てを拒絶していたら社会人として行き詰まってしまいます。その時に色々な価値観を理解していれば、受け流すことできるし、うまく取り入れることもできます。そのために学生時代、色々な人とコミュニケーションをとるべきだと思います。個人競技をやっている人と、団体競技をやっている人の考え方には違いがあります。同じTVを観ていても人それぞれに見方があり、捉え方も違います。色々な人とコミュニケーションをとり経験を積むことが大事だと思います。

今後の目標

 現在『+me』自体の認知度がまだまだ低いです。今後は『+me』がミズノでのウィメンズのイメージを引っ張る存在に作り上げていきたいと思っています。今までの競技者や部活を応援するイメージではなく、ライフスタイルの中で、女性がスポーツを取り入れる時に一番に思い出してもらう存在にしたいです。ナイキさんやアディダスさんより先にミズノを思い出してもらうためのブランドイメージを作り上げていくことが、これからやっていくことだと思います。


<取材・編集/ 笠原崇、小林大気、原田夏生>