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尚美学園大学 総合政策学部 ライフマネジメント学科 スポーツコース 江頭ゼミ

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2016.10.10

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チアパフォーマーコーチの仕事

マリーンズ・ダンスアカデミー(MDA)のテクニカルコーチ、M☆Splash!!の振付、キャラクターとチアパフォーマーのコラボ演出を行っております。

学生時代

ダンスは小校校高学年から始め、本格的に習い始めたのは高校生です。きっかけは友達がやっているのを見て、「とても面白そうだな」と思ったことでした。本当にダンスを習ってみたいと思っていたので、身近な友達がやっていた偶然が、今思うと奇跡だなと思います。高校卒業後はダンスの専門学校に行っていました。そこではオールジャンル学びました。バレエ、JAZZ、ヒップホップ、ハウス、タップ、ヨガもありましたが、チアダンスはありませんでした。

M☆Splash!!に応募した理由

 友達が見せてくれた雑誌にあったのが凄いきっかけなんですけど「あ、こんな道もあるんだったらやってみようか」っていうことでオーディションを受けてみました。その頃は本当に失礼な話、私全然知らなくて、プロ野球とかも知らなかったんです。まずプロ野球球団にチアダンスチームがあることも知りませんでした。ダンスの学校に通っていましたけど、進路と言えばテーマパークダンサーか、スタジオで教えるインストラクターの2つの道しかなくて、後はもう自分でバイトしながらダンサーを続けるしかない時代だったんです。だからプロ野球球団は、全然視野に入っていませんでした。専門学校を卒業する時にテーマパークなどのオーディションは受けましたが、チアはここだけでした。

オーディションの様子

 2016年シーズンの応募者は120人以上いました。その中から11人が選ばれました。選考基準は、ダンススキルはもちろん、M☆Splash!!というチームの雰囲気に適しているか、衣装を着て似合うのか、チームカラーにあっているか。M☆Splash!!は全てのジャンルにおいて特徴を出して行きたい。バラエティーに富んでいるのがM☆Splash!!の一番の魅力にしたいと思っています。ポンポンをもったザ・チアみたいな曲もそうだしゴリゴリのヒップホップもそうだし、どのジャンルもこなせないといけないんです。野球は試合数が沢山あっていろいろなイベントに出ていて、毎回同じようなダンスを同じような曲を、同じような人が踊っていたらお客さんもだんだんテンション下がってきちゃうんです。だから、幅広いダンスをしっかりと踊れることが大事になります。
 あとは、球場はとっても広いということを理解してオーディションに来ているかどうかです。スタジオやステージで踊るのと全く違います。大きく、明るく、元気よくないと、観客席まで届きません。10人で同じ振りをしていても、グランドでは仲間のダンサーが1人も視野に入らないことが普通です。その環境で10人がしっかり揃わないといけない。

パフォーマー時代

hitomi02Z.jpg初めてはとにかく振りを覚える量、振り入れのダンスのナンバー数が多いに驚きました。野球の試合はホームで年間60試合以上あります。平均すると月に12-3試合です。その間に振りを覚える時間を確保しないといけませんでした。特に開幕前の3月は覚える曲数も多いので大変でした。応援もうちのチアはやるんですね。選手の応援歌に合わせて一人一人応援の振りがついています。それだけで80曲くらい覚えなきゃいけないダンスがあります。選手応援以外には、大小長い曲から本当にツーエイトくらいで終わる振りまで合わせれば80曲くらいです。50曲くらいまではある程度叩き込んだ状態で4月の開幕を迎えます。
 練習はシーズン始まると、週1回のレッスンにはなりますが、開幕するまでは合宿に行ったりします。2泊~3泊くらいずっと踊りっぱなしですね。体育館で。汗水垂らして。振りを入れてもらったレッスンだったら、次の練習までに覚えてくるのは、各自で持ち帰って完璧にしてこないといけないです。そこは、踊ることでお金をもらうプロですから。

 この仕事はいわゆるダンサーと違います。グランドで踊るときはお客さんと遠いですけれど、球場の中で行うイベントではお客さんが近いんです。それにイベントの時にはダンスだけではなく、チームにいるマスコットと一緒にキャラクターショーもします。色々な場面でお客様に接することが仕事です。その中で幅広い世代から好かれるM☆Splash!!、特に同年代の女性に好かれるっていうのをコンセプトにしています。ですから全て髪の毛から爪の先からメイクの仕方にも気を配ります。普段一歩控室を出時はもちろん、この球場にくる時から「もうあなたたちは見られているよ」っていう意識を持つように言われています。全てですね、ちょっと髪の毛汚くなっていたらアウトとか、深爪アウトとか。

 あとは「球団の人」という意識が必要です。マリンの選手名は勿論、ピッチャーなら先発なのか中継ぎなかのか知っていないとダメです。野球ファンの方と話すこともよくありますから「昨日の先発よかったよね」と言われた時に「は?」となってはいけないんです。だって私たちは野球の応援をしているんですから。球場の中でトイレの場所を聞かれたり、迷子を託されたりした時にも、正確な対応が出来ないといけません。私たちはこの球場をホームとする応援スタッフなんです。ですから野球を知らなかった私の場合は、4月の開幕までに本当に沢山のことを勉強しなきゃいけませんでした。

 私はジャンルでいえば、ヒップホップとかのリズム系が得意でした。M☆Splash!!ではキャラと⼀緒になって、観客を笑わせるバラエティー系ことも楽しかったです。最初は抵抗がありましたが、そんな経験もここじゃなかったら出来なかったと思います。クールで格好いいダンサーだけじゃないところも、M☆Splash!!の魅力です。

やりがい

 子どもたちを教えるインストラクターをやっています。千葉ロッテ・マリーンズにはダンスアカデミーがあって、そこに700人以上のこどもたちがダンスを習いに来ています。その子どもたちに私達が教えています。この子どもたちが球場に見に来ることがあります。その時に先生~~~~~みたいなイエ~~~~イってなっている光景を見て「ああこの子たちが目指す目標になっているな」と思います。

ヘッドコーチ、テクニカルコーチとして

 2012年まではM☆Splash!!として球場で踊っていましたが、現在は振付をしています。マリーンズ・ダンスアカデミー(MDA)では、テクニカルコーチです。今MDAには生徒さんが760人いるんですけど、校舎が11校舎あって、月曜日~土曜日まで色んな所でやっています。スポーツクラブ「NAS」のスタジオや、本校と言われる球場の建物の部屋を使ってレッスンしています。このアカデミーのインストラクターは基本的にM☆Splash!!経験者です。生徒さんもマリーンズの名前がついているスクールを選んでいただいているので、球場で見られるダンスを教えないといけないですし、球場で踊っているM☆Splash!!がコーチだと安心されるみたいです。

M☆Splash!!のヘッドコーチとしては、多彩な人材が集まってくるので個のタレントを尊重しながら、チームとしてまとめていくのが難しいです。細かい指導はしなくても、メンバーが自分でビデオを撮って確認して修正しています。笑顔が足りないとか、フォーメーションとか。それにオーディションを突破してきている時点で、スキルは充分あるハズです。M☆Splash!!ではオールジャンルのダンスを行うので、ずっとチアをやってきた人達は、ヒップホップなどに苦労しているようですが、個人のスキルを上げるためのレッスンをする時間は無いので自分で努力をしていると思います。1試合にM☆Splash!!は18人くらいが出場します。この18人枠に対してメンバー争いはあります。感情的にぶつかることはありませんが、おちた子から聞かれることはあります「どうして選ばれなかったのですか」と。そういう時には、何が足りなかったのかをハッキリ伝えるようにしています。それを踏み台に伸びてもらうのがチームにとっていいことですから。何度も言いますがプロですので、全員のダンスのスキルがあって個性が活きるSHOWが出来るのが重要です。

HITOMIさん ジャズ ヒップホップ ハウス タップ ヨガ.)のダンスを学びながらダンス関係の様々なオーディションを受ける。周りの学生が就職活動をしている時に、友達の持っていた雑誌でM☆Splash!!のオーディション情報を偶然発見する。その後、応募し見事オーディションに合格。大阪から上京しM☆Splash!!メンバーとなった。

※マリーンズ・ダンスアカデミー
ダンスを通じて、地域の子どもたちへのスポーツ復興を図ることを目的とし、全国各地でチアダンスレッスンを行っている。

<取材・編集/ 澁谷 柊、二瓶 葵、宮崎 絵麻理>